【全五巻の内容】

 

第一巻:句集1

第一句集『雪礫』より『花眼』『浮鴎』『鯉素』(読売文学賞)『游方』『空艪』『四遠』(蛇笏賞)『所生』の八句集を収録。

 

第二巻:句集2

『餘日』『白小』『花間』『天日』『虚心』『深泉』『蒼茫』の七句集。
◎巻末に『雪礫』以前も含めた拾遺句も採録。季題別索引付。

 

第三巻:文集1

T『雪礫』の時代(〜昭和28年)
昭和16年「寒雷」掲載の「山口誓子論」「白露一顆」(川端茅舎論)に始まり、復員後間をおかず執筆した「芭蕉漂白の精神」「加藤楸邨覚書」、昭和23年病床での「石田波郷論」、以後「中村草田男論」等の作家論。青邨、林火、知世子らの鑑賞を採録。
U『花眼』前期(〜昭和36年)
「西東三鬼論」、「不死男遠近」等作家論、鑑賞のほか、『俳句講座』所収の「生活」(講座)をはじめ、「前衛の問題」など俳誌への特集時評、初期随想的俳論の「作家と含羞」「叙情と造型」等を掲載。
◎巻末に「寒雷」誌での選評と編集後記(白鳥亭日録)を抄録。

 

第四巻:文集2

V『花眼』中期(〜昭和40年)
父の重篤な病と死を契機に、漢詩・日本の古典に親しみ、溢れるように代表作となる随想的俳論を発表。「『花眼』について」「格調と伝統」「拊我不能語」「病中花眼妄想」「花眼雑読ー万葉集、詩経、杜甫等ー」「日本人の季節感」ほか、展宏、博道との交友録「レタースからひとつの幹へ」等。
W『花眼』から『浮鴎』へ(〜昭和47年)
「花眼遊想ー『花』と『あそび』」、短文ながらことばの本質へと迫る「季語」「言葉のいのち」ほか、龍太、八束、節子、白葉女、まり子らの鑑賞、『日本詩人全集』所収の「人と作品」、楸邨からの励ましを明かす「山中通信」、軽妙な随筆「古い写真」「わが暢気眼鏡」等を収録。
X『鯉素』『游方』の時代(昭和48年〜)
昭和47年のシルクロード行を機に、「芭蕉の近江」はやがて澄雄の近江に。「佐夜の中山」「雁の数」「蛙の目借時」「大根二題」「淡海の魚」等、史料と実地に遊ぶ随筆、魚目、雅人、峠、上林暁、喜八、みどり女らへの小論と鑑賞、出征間近な時期の「妹への葉書」、アメリカ俳句講演の報告ほか収録。

 

第五巻:文集3・補遺

Y『空艪』そして『四遠』…(昭和54年〜)
「墨筆の功徳」「……田螺に鳴くころぞ」「放菴三点」等愛好の作品にまつわる随筆をはじめ、秋桜子追悼の「末期の作」、春樹句鑑賞「『一つ目小僧』雑感」、思い出を交えて綴った「源義さんの硯」「鑑賞のたしかさ豊かさ」、連載された「芭蕉という男」等収録。
Z平成の世ーいのちを運ぶ(平成元年〜)
青畝、省二、綾子らの一句鑑賞、自句自解の趣ある「季語の旅」「読売俳壇選者を務めて」等。
[森澄雄俳話集(昭和48年〜平成22年)〈抄録〉
◎アルバムから見る澄雄
◎雅帖の句と句会記録