子供のころ、春がくると、畦道や小川の岸でよく土筆や蕨を摘んだものだ。野蒜も摘んだ。けれども、辺りに蕨が出るということはなく、蕨摘みをやったのは、一昨年の春、超結社吟行で長崎にいったときが初めて。
大村市の郊外の山の方にいって、道路脇のガード下にひろがっている斜面の蕨を摘んだのだ。それはなかなか面白いものだった。
斜面に目をこらして1本見つけると、つづいて何本か見つかる。その何本かを摘みとり、改めて別の方に目を凝らすと、また見つかるというふうで、私は30本ほど摘んだが、同行のひとりは斜面のかなり下までいって60本くらい摘んできた。結局、8人の平均は30本前後だったようだ。なかにひとりガード沿いの野の花を摘んでいる人がいたが、斜面に出ると腰がつらくなるのでやめたのかもしれない。
確かに斜面で踏んばるのは結構力がいるもので、汗もまた結構かいたものだった。

(大崎紀夫)